現在アマゾンベストセラー上位でよく見かける本。
ジャンプ作家(代表作、ジョジョの奇妙な冒険)を描いている荒木先生の漫画術の本です。
マンガの書き方というより、娯楽メディアコンテンツの考え方みたいな視点からでも読める本で面白かったです。
ネームの話がメインなので小説を書く人にもオススメ。
■少年ジャンプの三大原則
友情・努力・勝利
と荒木先生はおっしゃってますが


ジャンプの正しい作り方!(感想リンク)の編集部いわく「そんなテーマ無い」とのこと。
でも「行き着く先は友情・努力・勝利になる」とのことなので少年ジャンプといえばやはりこの3テーマ。



・主人公が「卑怯」だと読者から嫌われる
→読者の共感や興味をひく動機リストを作る
(以下リストの紹介)
→「勇気」こそがもっとも評価される

・身上調査表を作る
→キャラクターの履歴書のようなもので書籍では荒木先生の身上調査表が画像つきで紹介
年齢身長体重性格といったものから習慣、好きなもの嫌いなもの、恋愛経験、将来の夢、尊敬する人など細かい項目が沢山書いてある

・キャラクターが中心の漫画は、時代に応じてアップデートしていかないと生き残るのは難しい
例;サザエさんなど
キャラクターの年齢は増えないが、漫画内の時代だけ進化(黒電話が携帯電話になったり)させる必要がある

・「主人公は常にプラス」
→「起承転結」の転の部分でも主人公は常にプラス「上がって」いかなければならない
→どんどんプラスが積みあがっていく状態を作り出すために、1980年代の少年漫画家たちが考えたのが「トーナメント制」
頂点に立つまで、必ず「上がって」いく
→ただし「頂点に行ったらどうするか」という問題が予想されるのが、トーナメント制の欠点
一度、優勝という頂点を極めてしまうと、次の戦いはまた一から始めることになる→また最初から→萎える


荒木先生のネームや荒木先生が描いてきたマンガのコマ割の説明なども書いてあります。
魔法少女が「わたし魔法少女辞める」という話はやってはいけない、という内容には激しく同意。

漫画ではないですがとてもわかりやすくさくさく読めるし、ジョジョファンなら先生の漫画の解説には思わずニヤリとすること間違いなし。荒木先生ファンの方にもオススメです。

自分はジョジョを読んだことが無いんですが(先生ごめんなさい)とても面白かったのでジョジョをまったく知らなくても大丈夫です。
これで紙版800円ちょいは安すぎです。1000円でもよかったくらい。
キンドル版だと650円くらいで購入可能です。安すぎ…(二度言う)

この本を読んで「ストーリー構成やネームをもっと詳しく知りたいなぁと思った方は技術書へ!」というポジションな本でした。


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