gn200810_09

専門的な心理学の話題や経済学の内容ではなく「人は購入する時にこう思うからこう価格設定をした方がよい」というノウハウ本。
---------------------------
以下メモ書き抜粋


最重要点価値
→最も高額な競争相手を選び、高価格を設定できるように絞り込んだ価格

利用可能性バイアス(アベイラビリティバイアス)
→人はすぐ思いつく経験を典型事例だと思い込んでしまう傾向

非対称の優位性
→2種類の商品(AおよびB)が一方が価格、他方が品質というように別の点で優位性があるときに必ずおこる。
Bより(両面において)間違いなくとがっている第3の商品Cを見せると、顧客はAよりBを選ぶ確率が高くなる。
しかも商品Cを投入する一番簡単な方法は、価格を高く設定することである。

ゴルディロックス効果
→極端な選択をさける。失敗する確率が低くなると思って、妥協しながら無難な選択をする。
選択枠が3種類あると、本質的な価格に関係なく中間の選択枠に強くひきつけられる。

顧客は本能的に商品を比較したがる。その方が購入の判断をしやすいから。
(おとり商品を作る)
2種類の商品の特徴や品質が数字であらわせず、消費者が比較しにくい場合は、価格そのものをおとりにすればよい。

毎月の携帯電話の請求のように、わずかな金額の変化があまり気にならないものと支払いを一緒にしてしまえば、抵抗感はなくなる。

心理的距離
何かが将来起こると思っているのであれば、その距離は時間になり、何が遠くで起こると思っていれば、その距離は空間になる。
あるいは具体性が乏しく、抽象的で明確なイメージに欠ける自体であれば、概念上の距離になる。


仲間効果(ビア効果)
過去に経験のない状況や、どのように行動すべきかわからないとき、似たような立場の人たちと同じように行動する傾向が強くなる。

保有効果
私たちは、同じ商品であっても、保有したことがない、あるいは触れたことがないものより保有しているものを高く評価する傾向が実証されている。

顧客の防御心は、非日常的な状況に置かれると低下する。

「他人のお金」の効果
時分の所持金から代金を支払うわけで無ければ、心理的な抵抗感はすっかりなくなる。
何かの購入判断に迷う原因の多くは、失敗するのではないか、期待を裏切られて後悔するのではないか、ばかげていると思われないだろうか、どんな商品かわからないものを購入してよいのだろうか、など心の葛藤によりもの。

顧客は、自分の行動が合理的でなくても、世の中は理論的だと信じるものなので(世界は正しく動いているはずだと考える「公正世界現象」とも呼ばれる)価格が違う理由を説明しよう。そうすれば、売り手側が意図するように顧客は行動するようになる。

逆説的に言えば、価格設での最重要課題は、顧客に価格について考えさせないことである。


最後のページに「価格の設定が理想的かどうかを探る30の質問」という項目があり、これから価格を付ける時の問いが書いてあるのだがこれがとっても参考になりました。
この本で一番参考になるページかもしれない。

経済学とはまた違った視点からの本ですよ、ということがあとがきにも書いてあります。
経済学を知っている人は更に楽しく読めると思います。
全体的にわかりやすく書いてあって難しい本ではないので価格設定の初心者レベルでも最後まで読みやすいです。オススメ。

▲kindle版が出てないようなので出して欲しい。